そら豆の薄皮は食べるべき?ゆでるのと焼くのはどっちがいい?そら豆の栄養のこと、調べてみました ~ミネラル編~

そら豆は栄養たっぷり、カリウムや鉄、亜鉛を多く含みます

そら豆(そらまめ、空豆、蚕豆)はマメ科の野菜で、初夏(4~6月ごろ)が旬と言われています。
カリウムや鉄、亜鉛を多く含む食材で、100 gあたりカリウム440 mg、鉄2.3 mg、亜鉛1.4 mgを含みます(表1)。
一度に食べる量はそれほど多くないかもしれませんが、日本人が不足しがちなカリウムなどを補うためには食卓にプラスしたい食材の一つと言えそうです。

そら豆は火を通して食べる野菜で、「ゆでる」「焼く」のどちらかを行うのが一般的のようです。
せっかく食べるなら栄養を無駄なく摂りたいものですね。
そこで、調理の違いによって栄養価に違いは出るのか、実験してみました。

表1:そら豆の栄養価と食事摂取基準との比較

ゆでるか焼くかで栄養価は変わるのか、実験してみた

調理の違いによって栄養価に違いは出るのか、以下の3つの調理法で比べてみました。

1. ゆでる(塩ゆで)
2. さやから取り出して焼く
3. さやごと焼く

1. ゆでる

〈材料〉
・そら豆 8粒(4房分)
・水 500 mL
・塩 小さじ1

〈作り方〉

(1) そら豆をさやから取り出す

(2) 豆に切り込みを入れる(黒い部分の反対側に1 cm程度)

(3) なべにお湯を沸かし、豆と塩を加えゆでる(弱火3分)
(4) ざるにとりあげる

2. さやから取り出して焼く

〈材料〉
・そら豆 8粒(4房分)
・サラダ油 小さじ1/2

〈作り方〉

(1) そら豆をさやから取り出す

(2) 豆に切り込みを入れる(黒い部分の反対側に1 cm程度)

(3) フライパンにサラダ油をひき、豆を焼く(弱火で5~6分)
※今回は6分かけて焼きました

3. さやごと焼く

さやごと焼くと中の豆は蒸し焼きのような状態になります。

〈材料〉
・そらまめ 4房(8粒分)

〈作り方〉

(1) そら豆をさやごとフライパンにのせ、焼く(中火で4~5分)

(2) 裏返して焼く(弱火で3~4分)
※今回は4分半+3分かけて焼きました

実験結果:ほとんど違いなし

表2:そらまめ加熱調理後の栄養価の比較

それぞれの調理後の栄養価を表に示しています(表2)。
なお、そら豆の個体差を考慮し、調理前のそら豆35 gあたり(可食部、薄皮付き)に換算して結果を示しています。
そら豆35 gは8粒程度にあたります。
この結果によると、調理法によるミネラル量の差はほとんどありませんでした。

そら豆の薄皮は食べるべき?

薄皮も食べる人、薄皮は剥いて食べる人、食べ方は人それぞれだと思います。
実際のところ、そら豆の薄皮にはどれくらい栄養があるのでしょうか?
今回行った3つの調理後について、薄皮付きの結果と薄皮なしの豆の結果を比較してみました。

表3:薄皮の有無による栄養価の比較

この結果より、薄皮にもミネラルが含まれていることが分かります。
薄皮も一緒に食べるとより多くのミネラルを摂取することができるでしょう。

参考文献

文部科学省(2019)「食品成分データベース」, <https://fooddb.mext.go.jp/>(参照2020-06-02)
厚生労働省(2019)「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会報告書」, <https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html>(参照2020-06-02)

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