オススメのビオチン摂取法決定版!腸を整えれば産生量もUP!

美肌効果などがよくとりあげられるビオチン
でも意外に摂取目標量(目安量)が少ないことや、腸内細菌からつくられることはあまり知られていません。
この記事では、ビオチン摂取について正しく知り、上手に摂取する方法をご紹介します。

ビオチンをたくさん摂れば、美肌になる?

皮膚の炎症には効果あり!

ビオチンは皮膚の炎症を防止する因子として発見されました。
そのため、ドイツ語で皮膚という意味である”Haut”の頭文字をとって、ビタミンHとも呼ばれていました。
アトピーのような皮膚の炎症に、多量のビオチンを投与するビオチン療法*1は、エビデンス*2と共に効果が確認されています。

*1サプリメント等での多量摂取はご自身で判断せず医師にご相談ください。
*1妊娠中は、過剰摂取が、胎児に影響を及ぼす場合があるためお気をつけください。
*2エビデンスとは医学で、臨床結果などの科学的根拠の事を言います。

多くの人はビオチンをたくさん摂っても効果はない?

ビオチンが美肌に良いとされる情報を目にすることも多いと思いますが、皮膚の炎症に対する効果が確認されている他、ビオチンをたくさん摂ることで美肌になるというエビデンスは実はありません。
日本人の食事摂取基準で必要とされている目安量に従えば、食品からの摂取と腸内細菌による供給で、十分にまかなえると考えられています。

ビオチンを上手に摂る方法とは?

バランスの良い食事で十分摂れる栄養素

ビオチンは様々な食品に含まれています。
成人男性の1日あたりの目安量も、50μg程度と少なめ。
同じ水溶性ビタミンのパントテン酸が5mg(5000μg)なのに比べると100分の1程度で十分なのです。
偏りのない食生活を送っていれば不足することは稀な栄養素なのです。

こまめに摂取することが大切

水溶性ビタミンであるビオチンは水に溶けやすく、体外へ排出されやすい性質があります。
そのため一度に多く摂取しても、体内に長く留まることはありません。
ビオチンを意識的に摂りたい場合には、こまめな摂取が効果的です。

ビオチンの敵、「飲酒」「喫煙」「カフェイン」

バランスのよい食事でこまめに摂取しても、アルコールやたばこ、カフェインを摂ると体内のビオチンを消費してしまうため、不足の原因になると言われています。
過度な飲酒や喫煙は体にとっても害を与えるため、控える事が望ましいです。
ビオチンの吸収率は腸内細菌、悪玉菌の影響によっても変動します。
飲酒や喫煙は菌の働きにも悪影響を及ぼすため、吸収率を阻害する要因にもなります。
不摂生はビオチンの敵なのです。

腸を整えて、体の中にいつもビオチンを。

腸内細菌がビオチンを作ってくれる

ビオチンは食品からだけではなく、腸内細菌によっても産生されます。
産生量は解明されていないため、腸内細菌だけで必要量を全て補えるかは不明ですが、腸内環境の悪化は不足の要因になり得ます。
腸内環境を良い状態に保つことが、ビオチンの充足にプラスの影響を与えてくれるのです。

腸内環境を良くするには?

腸内細菌にはたくさんの種類があります。
中でも、善玉菌(乳酸菌など)を増やすことで腸内環境が良くなります。
善玉菌を増やす働きを持つオリゴ糖食物繊維を摂取することが良いとされています。
反対に、悪玉菌はたんぱく質や脂質が中心の食事や不規則な生活、ストレスなどが原因で増えてしまいます。
そのため、このような因子を減らす事も、良い腸内環境に導くための手段のひとつと言えます。

腸内環境を整えるための3つの成分

  1. 乳酸菌
    悪玉菌の繁殖を抑える乳酸菌。
    主にヨーグルトや納豆、漬物などに多く含まれ、食品から直接摂取できます。
    継続的に摂取し、腸内に補充しておく事が効果的なので、毎日続けて摂取する事がオススメです。
    なお、乳酸菌のひとつであるフェカリス菌や一部のビフィズス菌がビオチンを消費するという報告がありますが、ヨーグルトなどで摂る分にはビオチンに悪影響を与えないと言われているため、神経質になる必要はないと言えそうです。
  2. オリゴ糖
    オリゴ糖は低エネルギーで、善玉菌の栄養源となり、特定保健用食品として認められています。
    大豆やたまねぎ、ごぼう、バナナなどの食品に多く含まれます。
  3. 食物繊維
    食物繊維は第6の栄養素とも言われ、オリゴ糖と同じく善玉菌の栄養源となります。
    食品では、豆類や野菜類、果実類に多く含まれ、魚介類や肉類などの動物性食品にはほとんど含まれていません。
    毎日の食事の中に取り入れる事がオススメです。

まとめ

偏りのない食生活によって、十分に補うことができるビオチン。
一度に多量摂取するのではなく、こまめに摂るのがコツです。
さらに腸内環境を改善できれば、ビオチン対策はバッチリと言えるでしょう!

参考文献

厚生労働省「日本人の食事摂取基準」
厚生労働省「e-ヘルスネット」
文部科学省「日本食品標準成分表」
古賀哲也(1993)「ビタミンH(ビオチン)」,『臨床と研究』,70(3):85-87
渡邊敏明(2003)「ビオチンの役割と健康への影響」,『ビタミン広報センター』,106
池田雅充(1988)「腸内細菌叢合成のビオチンで必要量を満たせるか」,『日本ビタミン学会』,62(4):192
柴田克己(2012)『ビタミンの新栄養学』

著者 / 監修者