コンビニやドラッグストア等で多くの疲労回復用ドリンク・食品が販売されています。
寝不足や飲み過ぎ、忙しさが続いてなんだか疲れが、、、という時に利用する人もいるかもしれません。
じつはこの“疲労回復”に取り組む時に欠かせないのが“抗酸化”なのです。
今回は抗酸化ってなに?から疲労回復に役立つ栄養素、食品まで徹底ガイドします。
活性酸素の働きを抑えて、疲労を防ぐ
抗酸化とは活性酸素によるダメージを抑えるという意味になります。
活性酸素が活発化することで身体がサビついてしまう状態を酸化ストレスと呼びます。
呼吸で取り入れた酸素の一部が活性酸素になります。
活性酸素は、体内に侵入してきた細菌からの感染を防ぐ役割がありますが、増えすぎることで細胞や筋肉へのダメージとなり肉体疲労へつながることが知られています。
そこで今、抗酸化ビタミンであるビタミンA,C,Eに注目が集まっています。
抗酸化に効く栄養素・食品
抗酸化ビタミンを多く含む食材は何なのか調べてみました。
ビタミンA・カロテン
発育の促進、肌の健康維持、眼に栄養を与え暗いところでも目が慣れて見えるようになる機能(視覚の暗順応)、のどや鼻などの粘膜に働いて細菌から体を守ったりなど、免疫防御に対してたくさんの重要な役割を持っています。
主な食材と各食材100gあたりに含まれるビタミンA・カロテンの量(μg):
- うに(700)
- 卵黄(55)
- 牛レバー(40)
- にんじん(8600)
- かぼちゃ(4000)
- 春菊(5300)
- にら(3500)
などです。
実際に必要だといわれる量は
男性850μgRAE、成人女性で650μgRAE ※上限設定は、1日2,700μg
これ以上の摂取は頭痛や、筋肉痛などを引き起こすといわれているので要注意です。
ビタミンAの効果的な摂り方
ビタミンAは脂溶性で油に溶けやすい特徴をもっています。
生で食べるより、油と一緒に調理するか、ドレッシングなどを掛けると、吸収効率が上がります。
ビタミンC
体の細胞と細胞の間を結ぶコラーゲンの合成に必要な栄養素。
鉄の吸収を良くしたり、しみのもとであるメラニン色素の合成を抑えたりします。有害な活性酸素から体を守り血液など水分の多い場所で働くといわれています。
主な食材と各食材100gあたりに含まれるビタミンCの量(mg):
- いちご(62)
- レモン(100)
- キウイ(69)
などの果物類、
- レッドキャベツ(68)
- パセリ(120)
- 赤ピーマン(170)
- ブロッコリー(54)
などの緑黄色野菜です。実際に必要だといわれる量は成人の男女で100mg/日とされています。
ビタミンCの効果的な摂り方
2〜3時間で排泄されるので、1度ではなく数回に分けて摂取することがいいでしょう。
ビタミンE
自律神経に働きかけることで、血管の収縮を促し、毛細血管の拡張が行われ頭痛や肩こり、冷え性など血行不良による症状の緩和が期待できます。
主な食材と各食材100gあたりに含まれるビタミンE(mg):
- アーモンド(29.4mg)
- ピーナッツ(1.9mg)
- 松の実(12.3mg)
などのナッツ類、
- ウナギ(3.9mg)
- 焼きタラコ(8.1mg )
- アボカド(3.3mg)
- あゆ(8.2)
などです。
実際に必要だといわれる量:成人の男女で6〜6.5mg/日 ※上限設定は650〜900mgまで。
これ以上の摂取は出血性障害を起こすといわれているので要注意です。
健康なおじいちゃんが生卵を飲んでいたのはビタミンAで、スポーツマンの彼氏にレモンの砂糖漬けを差し入れするシーンはビタミンC、モデルさんが小腹がすいたらナッツを食べてたのはビタミンEの補充、これらは疲労回復の理に適っていたということですね。
参考
米国立科学アカデミーのthe Food and Nutrition Board(食品栄養素委員会)
厚生労働省「日本人の食事摂取基準」
厚生労働省策定 日本人の食事摂取基準(2010年版)/第一出版 (書籍)
新食品成分表(2012)/一橋出版 (書籍)
食品標準成分表(2012)/全国調理師養成施設協会 (書籍)
文部科学省「日本食品標準成分表」