葉酸とは?基本知識のおさらい
水溶性ビタミンのビタミンB群に含まれる葉酸。
アミノ酸・核酸の代謝に用いられ、たんぱく質の合成に不可欠な物質です。
ビタミンB12とともに赤血球を作るので「造血のビタミン」といわれています。
妊活時から妊娠初期までの積極的な葉酸の摂取により、赤ちゃんの先天性障害である神経管閉鎖障害を予防できるという研究結果も出ています。
そのため、厚生労働省は妊娠初期の葉酸欠乏の注意を促しています。
葉酸の摂りすぎ(過剰)、不足に注意
大量摂取により発熱やじんましん、また、亜鉛の吸収を阻害する可能性があります。
しかし、通常の食品を摂取している人で、過剰摂取による健康障害が発言したという報告は見当たりません。
腸内細菌により体内でも作られるため、本来バランスのよい食事をしていれば欠乏する事は少ないと言われています。
しかし、不足すると造血機能に異常が起こり、悪性貧血や肌荒れ、疲労感を催します。
葉酸を摂取するときに気をつけたい3つのポイント
実は、日本人の約15%が先天的に葉酸が不足しやすい遺伝子を持っていると言われています。
また、葉酸は光に弱く、新鮮な野菜を日に当たる場所に3日間放置すると、約70%が分解されてしまいます。
一筋縄ではいかない葉酸との付き合い方、摂取時に気をつけたい3つのポイントをご紹介します。
葉酸の吸収効率はサプリメント>食品
葉酸には2つの姿があります。ポリグルタミン酸型とモノグルタミン酸型です。
食事中の葉酸の大半はポリグルタミン酸型で存在していますが、加熱調理によってはたらきが失われやすく、体内での利用効率は約50%とされています。
それに対して、モノグルタミン酸型は吸収されやすく、科学的にも安定していることがわかっています。
葉酸のサプリメントの多くはモノグルタミン酸型で、利用効率は約85%と言われています。
そのような理由から葉酸についてはサプリメントなどの使用も視野に入れた摂取が推奨されています。
食品で摂るコツは“できるだけそのまま”食べること
葉酸を多く含むものにレバー、豆類、緑黄色野菜、果物が挙げられます。
葉酸は水溶性で熱にも弱く、調理中に壊れやすいため、生で食べられる葉もの野菜や果物はサラダなどにしてそのまま食べるのがオススメです。
購入後はすぐに冷蔵庫などで冷やし、早めに食べ切ると良いでしょう。
アルコールは葉酸吸収の敵!飲む時は意識して葉酸を摂ろう
アルコールによって破壊されてしまうビタミンはいくつかあり、葉酸はその1つです。
そのため、飲酒の際は葉酸を多く含むものを一緒に食べるようにしましょう。
居酒屋メニューの代表的なところでは、サラダや枝豆、レバーなどが挙げられます。
サプリメントを服用する際は、アルコールを摂取すると栄養素を無駄に排出してしまうので同時に摂る場合は注意しましょう。
まとめ
葉酸はとてもデリケートな栄養素と言えます。
特徴をおさえて取り入れることで効率よく摂取することが出来ます。
バランスのよい食事をしていれば欠乏は少ないと言われていますが、妊娠している女性やアルコールを摂取している人は少し意識して葉酸を取るようにするといいかもしれません。
食事にしろサプリメントにしろ、自分に合った摂取方法・量を意識して日々の生活に活かしましょう。
(参考文献)
1)健康長寿ネット「葉酸の働きと1日の摂取量」, https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-yousan-biotin.html , (2019年4月4日最終アクセス)
2)4 Morita H.et al.Methylenetetrahydrofolate reductase gene polymorphism and ischemic stroke in Japanese.Arterioscler Thromb Vasc Biol.1998:18:1465-9
3)關戸啓子:ナーシング・グラフィカ⑥ 臨床栄養学.メディカ出版,2010.
4)厚生労働省「平成27年国民健康・栄養調査」, https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou/dl/h27-houkoku-04.pdf ,(2019年4月11日最終アクセス)
5)尾岸恵三子,正木治恵:看護栄養学 第3版.医歯薬出版株式会社,1996.
6)厚生労働省「日本人の食事摂取基準」, https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4u.pdf ,(2019年4月27日)