じゃがいものあく抜き、水にさらすのは何分?栄養を失わないための下処理のポイント

じゃがいもはカリウムが豊富、水にさらしてあく抜きするのが一般的

じゃがいも(ジャガイモ、ばれいしょ、馬鈴薯)はカリウムを多く含む食材のひとつです。
日本食品標準成分表によると、じゃがいも100 g中には410 mgのカリウムが含まれているそうです。
一年中手に入れることができ、料理の幅も広い野菜です。

そんなじゃがいもは加熱調理前に水にさらすのが一般的です。
水にさらすことで、変色を防ぐことができます。
また、じゃがいも表面のでんぷんを取り除くことができ、じゃがいも同士がくっつくのを防げます。
逆にじゃがいものでんぷん質を活かしたい場合は、水にさらさずに調理するのがよいでしょう。

水にさらしつづけるとミネラルは失われるのか、実験してみた

水さらしが必要な場合でも、長時間さらしてしまうと、せっかく豊富なカリウムが流れ出てしまうかもしれません。
豊富に含まれている栄養素、せっかくなら無駄なく摂取したいものですよね。
そこで、さらす時間で栄養価は変わるのか、次の3つで実験してみました。

1. 水にさらす(10分)
2. 水にさらす(20分)
3. 水にさらす(30分)

〈材料〉 
・じゃがいも 2個
・水 400 mL

〈作り方〉

(1) 包丁でじゃがいもの皮をむき、2 cm幅の輪切りにする

(2) じゃがいもをボウルに入れ水に浸し、10分、20分、30分間静置する

実験結果:水さらしは20分程度にとどめるべきかも?

じゃがいも100 g中の、水さらし後のカリウム量を表に示しています。(表2)
10分で329 mg、20分で345 mg、30分で291 mgのカリウムが含まれていました。
30分さらしたじゃがいもは10分のものと比較して約40 mgの減少が見られたことより、水にさらす時間は20分程度にとどめておくのがよいのかもしれません。

今回は厚めの輪切りで検討しましたが、くし切りや千切りなど切り方を変えることによって栄養価の流出度合いが変わる可能性もあります。
今後も検討の余地がありそうです。

参考文献

文部科学省 日本食品標準成分表2015年版(七訂)
厚生労働省(2019)「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会報告書」, <https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html>(参照2020-02-14)

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