美と健康の味方!アミノ酸を活用しよう

アミノ酸ときいてどのようなイメージをお持ちでしょうか。
スポーツ飲料、サプリ、調味料といった食品から化粧品やシャンプーまで、アミノ酸を売りにした商品はさまざま。なんだか体に良さそうだけれど、アミノ酸って一体何者!?
今回はアミノ酸のはたらきと、効率的な摂取方法について食の面から考えていきます。

アミノ酸はたんぱく質の元、健康を支える様々な機能を持っている

アミノ酸が結合すると、たんぱく質になる

アミノ酸はたんぱく質を構成する物質です。
食べ物から摂取されたたんぱく質は体内でアミノ酸に分解されます。
そのアミノ酸を材料に、体内では筋肉や肌、内臓などをつくるなど、目的に応じてたんぱく質が合成されていきます。
例えば、美容に良いとされるコラーゲンや、髪の毛の成分となるケラチンはたんぱく質なので、元をたどればアミノ酸からできている、ということになります。

アミノ酸はそれぞれ独自の働きももつ

人の体をつくるアミノ酸は20種類存在しますが、たんぱく質を合成するのみならず、美容や健康に有効な独自の働きを持っています。
例えばプロリントレオニンはコラーゲンの合成を促進する作用があり、セリンには保湿効果が、システインにはシミの抑制効果があります。
グリシンは美肌効果だけでなく、快眠や血中コレステロールを低下させる機能をもっています。
また、アミノ酸には味をもつものがあり、旨味成分で知られるグルタミン酸もアミノ酸の一種で、疲労回復等が期待できます。

必須アミノ酸が欠けるとたんぱく質が作られない

「必須アミノ酸」と「非必須アミノ酸」

アミノ酸は、必須アミノ酸非必須アミノ酸に分けられます。
必須アミノ酸は体内で合成できない、もしくは体内での合成速度が遅いアミノ酸です。
そのため、必須アミノ酸は食事やサプリなどで摂取する必要があります。
非必須アミノ酸は体内で合成することができます。
必須ではないからといって、健康維持に不要というわけではありません。

必須アミノ酸が1種類でもかけると体内のたんぱく質合成ができない

これらのアミノ酸がしっかりと体内で機能を発揮するためにはどうすればいいでしょうか。
桶の理論として例えられるように、必須アミノ酸が1種類でも不足すると、たんぱく質の合成効率が悪くなってしまいます。
上図の場合、リジンが他の必須アミノ酸に比べ少ないです。そうすると、リジンの摂取量分までしか活用されなくなってしまいます。

アミノ酸摂取バランスを知る指標「アミノ酸スコア」を考えよう

必須アミノ酸の摂取バランスの崩れを防ぐために活用したいのが、「アミノ酸スコア」です。
食材ごとに必須アミノ酸のバランスを数値にして示してあり、数値が高いほどバランスが良いとされます。主な食品のアミノ酸スコアを表に示しました。
一般にたんぱく質豊富と言われる肉、魚、乳製品、大豆のアミノ酸スコアが高いことがわかります。
また、アミノ酸スコアの高い食品は一般に「良質なたんぱく質」とも呼ばれます。

食事の組み合わせでアミノ酸スコアは上げられる

アミノ酸スコアが低い食材も他の食材と組み合わせることで、食事全体のアミノ酸スコア上げられるようになります。
例えば白米や食パン、そばの場合はリジンが少ないためにアミノ酸スコアが低くなっています。
そこで、リジンを多く含む魚介類や肉類などと一緒に摂るとアミノ酸の摂取バランスを改善できます。

植物性よりも動物性の食材の方がアミノ酸スコアは高く、吸収も良いとされています。
一方、動物性ばかりに偏ると脂質を摂りすぎてしまったり、腎臓への負担がかかったりしてしまうことも。
さらに、アミノ酸がしっかり機能するためには糖やミネラル、ビタミンが不可欠です。
こうした観点から、様々な食材からアミノ酸を摂取していくのが良いと言えます。

朝食や昼食にありがちなごはんやパン、麺だけの炭水化物に偏った食事はアミノ酸スコアもいまいち。
納豆ごはんにする、パンにハムやチーズを挟む、ツナが入ったサラダを足すなど、豆、肉、魚といったたんぱく質が多めと言われる食材を取り入れることでアミノ酸スコアを上げられます。
また、コラーゲンの合成にはアミノ酸に加えてビタミンCも大切です。
ビタミンCが豊富に含まれるキウイフルーツやオレンジといった果物をデザートに取り入れると、バランスアップにつながります。

サプリメントでも摂れるアミノ酸

アミノ酸サプリにはBCAAやEAAがありますが、BCAAは必須アミノ酸の一部であるバリン、ロイシン、イソロイシンが含まれ、EAAには全ての必須アミノ酸が含まれます。
そのため、健康を目的とした場合はEAAがおすすめといえそうです。
さらに美肌効果を高めるには、必須アミノ酸に加えて、システインやプロリンといった非必須アミノ酸やビタミンC、E、B群が含まれているものを選ぶと効率が高まると考えられます。

まとめ

アミノ酸の働きは大きく2つ

  • たんぱく質の原料になる
  • 20種類のアミノ酸がそれぞれの機能を持って美容や健康を支える

体にとって大切な機能を担ってくれる重要な栄養素だといえます。

アミノ酸の摂取にあたって気を付けたいポイントはアミノ酸をバランスよくとること
体内で合成できない必須アミノ酸は、その摂取バランスが崩れるとたんぱく質を合成できません。

そこで、必須アミノ酸のバランスを知る指標となるアミノ酸スコアを活用していきましょう。
アミノ酸スコアの高い食事は肉や魚に多いですが、アミノ酸スコアが低い食品も他の食品との組み合わせでスコアを上げられます。
アミノ酸が機能するには他の栄養素も重要となるので、色々な食材からアミノ酸をとっていくのがおすすめです。

とはいえ、忙しい毎日の中でたくさんの食材を摂取するのはなかなか大変。
このようなときはサプリメントを活用してみるのもいいかもしれません。

参考文献

厚生労働省「日本人の食事摂取基準2015年版」
田中明、蒲池桂子(2016)「あたらしい栄養事典」日本文芸社
渡邊昌(2016)「運動・からだ図解 栄養学の基本」マイナビ出版
FAO/WHO/UNU(2007)”Protein and amino acid requirements in human nutrition : report of a joint FAO/WHO/UNU expert consultation”