味覚を正常に保つミネラル、亜鉛の基本を知る。

原子番号30の亜鉛族元素です。
体内に約2gほどがあり、皮膚や骨、肝臓や腎臓などに存在しています。
味覚を正常に保ったり、免疫機能を維持したりするのに役立つ栄養素です。

亜鉛の機能

味覚を維持する

味を感じることができるのは、舌の表面の「味蕾(みらい)」に存在する味細胞のおかげです。
亜鉛はそんな味細胞を作り、味覚を維持する効果があります。

あらゆる代謝に関わる

亜鉛は200種類以上の酵素を構成する成分として、体内の様々な代謝に関わります。
細胞やたんぱく質、ホルモンの合成に欠かせない栄養素です。

老化の防止に関わる

細胞を傷つけ老化を進行させる物質として、活性酸素があります。
活性酸素を消去する酵素「スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)」の補酵素として抗酸化作用に関わってます。

亜鉛の消化・吸収・代謝

小腸で吸収され、吸収率は30%程度

食事で摂取した鉄は、小腸で吸収されます。
吸収率は鉄や銅の摂取量など食事に含まれる他の栄養素によって変化しますが、約30%とされています。
尿としての排泄は少なめです。

亜鉛の摂取量

成人の男女で、8〜11mg/日摂取が推奨量とされています。
耐容上限量の設定があります。

過不足のリスク

サプリなどの過剰使用で貧血や吐き気が起きる場合がある

通常の食事で過剰摂取になる可能性は極めて低いですが、サプリメントなど健康食品の利用で過剰症が起きる場合があります。
急性の亜鉛中毒ではめまいや吐き気、HDL(善玉)コレステロールの減少、長期の慢性的な亜鉛過剰は鉄や銅の吸収を阻害し、貧血になることがあります。
抗酸化酵素であるスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)の活性が弱まるという報告もあります。

欠乏すると味覚障害、成長障害、皮膚炎、免疫力の低下などが起きる

味蕾にある細胞の新陳代謝が悪くなり、味覚障害が起きます。
味覚障害は比較的軽度の欠乏でも起きることがあり、日本でも増加傾向にあると言われています。
亜鉛はあらゆる代謝に関わるため、不足すると成長障害が起きます。
子どもだと身長や体重の発育が遅れ、思春期では第二次性徴が遅れます。
成人では性機能不全、妊婦では胎児の成長不良が起きます。
他にも口内炎などの皮膚炎や免疫力の低下もあるとされています。

亜鉛が多く含まれる食品

牡蠣など魚介類、レバーや肉類といった動物性食品に多く含まれています。
野菜や果物の植物性食品のみに偏らず、通常の食事ができていれば不足する心配はあまりありません。
植物性の食品で摂取する場合は、切干し大根が2.1mg/100g、ゆでたそらまめ1.9mg/100g、枝豆1.4mg/100g、水煮のマッシュルーム1.0mg/100gなどが比較的豊富です。

出典 文部科学省 日本食品標準成分表2015年版(七訂)

参考文献

厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020年版」
文部科学省(2015)「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
上西一弘(2016)「栄養素の通になる」女子栄養大学出版部
奥恒行、柴田克己(2017)「基礎栄養学(改定第5版)」南江堂
田知陽一(2018)「栄養科学イラストレイテッド基礎栄養学第3版」羊土社

著者 / 監修者