【2020年版】活性酸素から細胞を守り老化を防いでくれる、ビタミンEの基本を知る。

体内で主に細胞の膜に存在する脂溶性ビタミンで、その強い抗酸化力からアンチエイジングや生活習慣病予防などへの効果が期待されています。
ビタミンEにはトコフェロールとトコトリエノールに大きく分けられ、さらにそれぞれ構造の違いによりα、β、γ、δの4タイプに区別されます。
そのためビタミンEは計8種類が存在することになりますが、体内に存在するビタミンEの大部分はα-トコフェロールです。
そのため食事摂取基準ではα-トコフェロールの量を指標にビタミンEの摂取基準が設けられています。

ビタミンEの機能

体や肌の酸化を防ぐ

細胞を傷つけたり、異常な細胞を作り出したりするなどして細胞の死を早める過酸化脂質の生成をおさえ、臓器や肌を守ってくれる効果があります。
この効果は老化を防ぐだけでなく、がんなどの予防にも働くと考えられています。
さらに、動脈硬化を防ぐ効果もあるとされています。
動脈硬化は血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)の酸化で進行します。
そのLDLコレステロールの酸化をビタミンEがおさえてくれます。

血行をよくする

ビタミンEは血管の収縮を促す神経伝達物質の生成をおさえ、毛細血管を拡張してくれます。

生殖機能を維持する

性ホルモンなどの生成や分泌に関係しています。そのため、ビタミンEは生殖機能の維持にも働きます。

ビタミンEの消化・吸収・代謝

油脂と一緒に摂取すると吸収率が上昇する

脂溶性のビタミンEは胆汁酸などによって水に溶ける状態になった後、腸管からリンパ管で吸収されます。
吸収率は10〜40%とされていますが、正確にはわかっていません。
ただ、油料理や脂質を含む肉や魚などといった酢良く剤と摂取すると吸収効率が上がります。

ビタミンEの摂取量

成人の男女で5〜7mg/日摂取が目安とされています。
通常の食品摂取で不足や過剰症の報告はありませんが、安全が確認できている最大量を上限として定められています。

過不足のリスク

過剰症は起きにくいが、血が止まりにくくなったり筋力が低下したりする

脂溶性のビタミンは体にため込まれやすいため、水溶性のビタミンに比べ、過剰症が起きやすい傾向にあります。
しかし、ビタミンEは脂溶性ビタミンでありながらも過剰症が起きにくいと考えられています。
しかし、耐用上限量を超えるビタミンEを摂取し続けると出血する危険性があります。

他にも、筋力の低下や疲労、吐き気、下痢などが起きたという報告が存在します。
通常の食事で欠乏症や過剰症が発症した報告はありません。
サプリを使用する際は耐容上限量を守って摂取しましょう。

不足すると貧血や生活習慣病、老化、不妊のリスクが高まる

ビタミンEの不足が続くことでよく知られる症状は溶結性貧血です。
ビタミンEは赤血球の膜でも酸化を防いでおり、長期にわたって不足すると膜が酸化して壊れやすくなります。

他にも、動脈硬化などといった生活習慣病や老化のリスクを高めると考えられています。
女性の場合は不妊や流産のリスクが上昇するといわれています。

ビタミンEが多く含まれる食品10品目

主に植物、種実、魚類の油脂成分に含まれます。
脂溶性ビタミンのため油と一緒に吸収されやすく、熱や酸に強い特長を持っています。
同じく抗酸化作用の強いビタミンCやカロテノイドなどと一緒にとると抗酸化作用が上昇します。
カロテノイドは緑黄色野菜に多く含まれています。
熱や酸に強いビタミンEですが、紫外線には不安定ですので光のあたる場所に保管すると分解されてしまいます。

出典 文部科学省 日本食品標準成分表2015年版(七訂)

参考文献

厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020年版」
文部科学省(2015)「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
上西一弘(2016)「栄養素の通になる」女子栄養大学出版部
奥恒行、柴田克己(2017)「基礎栄養学(改定第5版)」南江堂
田知陽一(2018)「栄養科学イラストレイテッド基礎栄養学第3版」羊土社

著者 / 監修者