【2020年版】身体を作る、エネルギーになる、たんぱく質の基本を知る。

たんぱく質はアミノ酸20種類が結合してできた化合物で、体を作る栄養素です。
アミノ酸の数や種類、結合の仕方によってその働きはかわり、その数は約10万種類にものぼります。
このアミノ酸の種類のうち9つは体内で作ることができない、必須アミノ酸と呼ばれるものです。
サプリとしてよく知られるプロテイン(protein)はたんぱく質を英語に訳したものです。

たんぱく質の機能

筋肉も肌も髪も内臓も、体はたんぱく質でできている

遺伝子情報であるDNAを翻訳することでたんぱく質が合成され、筋肉、肌、髪、内蔵など、ありとあらゆる体の部位を構成する細胞の主成分になります。
妊娠中の場合、たんぱく質は赤ちゃんの体を作る主な栄養素だけでなく、胎盤などを作る栄養素でもあります。

酵素やホルモンをつくる成分になる

体内の代謝や機能を調整する酵素やホルモン、神経伝達物質もたんぱく質からできています。
さらに体内に酸素を供給する役割を担うヘモグロビンと呼ばれる赤血球中の成分や遺伝子、免疫グロブリンという免疫にかかわる物質もたんぱく質でできています。

エネルギー源にもなる

たんぱく質は主に体の構成成分として使われます。
そのため炭水化物や脂質よりも利用される割合は少ないですが、酸化されることでエネルギー源にもなります。
たんぱく質のエネルギーは糖質(炭水化物)と同様4kcal/gです。

たんぱく質の消化、吸収、代謝

たんぱく質はアミノ酸に分解される

たんぱく質は胃液や膵液、小腸など各消化機能によってアミノ酸へと分解され、腸管から吸収、肝臓で再び合成されて血液中に送り出されます。
体内のたんぱく質は常に合成と分解を繰り返しており、健康な体づくりのため十分な量を供給する必要があります。
特に運動トレーニングなどで筋肉に負荷がかかると合成と分解が同時に増加します。
この時に分解よりも合成が上回ることで筋肉が肥大するようになります。

たんぱく質の代謝には主にビタミンB6が関わる

たんぱく質がアミノ酸へと分解し、神経伝達物質などを合成していく過程でビタミンB6が関わります。
サプリメントとしてプロテインを摂取している人はビタミンB6の摂取も気にかけることで、摂取したたんぱく質が有効に活用されます。
ビタミンB6はお米や牛・豚・レバー、赤身の魚などに豊富に含まれます。

たんぱく質の摂取基準

一般的には成人男性で60g/日、成人女性で50g/日が推奨量とされています。


過不足のリスク

過剰摂取は腎臓に負担をかけることがある

余分なたんぱく質はそのままでは体内に貯蔵されません。
肝臓で分解されてグリコーゲンや脂肪に変換されるか、尿中に排泄されます。
尿による排泄には腎臓が関わるため、たんぱく質の過剰摂取は腎臓に負担がかかります。
たんぱく質の摂取量が全エネルギー摂取量の35%未満であれば腎機能を低下させることはないと考えられています。
また、糖の代謝を行うインスリンの働きが悪くなることがあり、糖尿病や心血管疾患の発症リスク増加に繋がる可能性があるとも言われています。

他にも、カルシウムが排泄されやすくなって骨粗鬆症につながる場合があります。
こうしたリスクはあるものの、健康障害が起きるたんぱく質摂取量は現段階ではっきりと分かっていないため、上限量は定められていません。

不足すると全身に不調がでることも

たんぱく質は体をつくる栄養素ですので、不足すると体全体に不調が出ることがあります。
例えば以下のような問題が発生すると考えられます。

  • 筋肉が低下による基礎代謝の低下
  • コラーゲンの不足による肌や髪のトラブル
  • 神経伝達物質の不足による思考力の低下
  • 免疫グロブリンの不足による免疫機能の低下
  • ヘモグロビンの不足による貧血

乳児や子どもの場合には成長障害にもつながります。
筋肉量が低下すると基礎代謝も低下するため、エネルギーの消費量が減少します。
その結果、消費されないエネルギーが脂肪となり、太ったりメタボリックシンドロームになったりするリスクもあります。

たんぱく質が多く含まれる食品10品目

出典 文部科学省 日本食品標準成分表2015年版(七訂)

肉、魚介類、卵、乳製品、大豆製品、穀類などに含まれています。
特に、肉、魚、卵、乳製品、大豆に含まれるたんぱく質は各種アミノ酸がバランスよく含まれ「良質なたんぱく質」といわれています。
一般に、動物性食品に含まれるたんぱく質の方が吸収は良いとされています。
しかしながら、ビタミンなど他の栄養バランスを整えるため、特定の食品に偏らず、植物性のものも含め様々な食材からたんぱく質を摂取していく方が健康的だといえます。

参考文献

厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020年版」
文部科学省(2015)「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
奥恒行、柴田克己(2017)「基礎栄養学(改定第5版)」南江堂
上西一弘(2016)「栄養素の通になる」女子栄養大学出版部
田知陽一(2018)「栄養科学イラストレイテッド基礎栄養学第3版」羊土社

著者 / 監修者