疲れやイライラ防止にも良い、パントテン酸の基本を知る。

ビタミンB群の1つであるパントテン酸。
ギリシャ語で「どこにでもある酸」という意味で広く食品に存在する栄養素です。
炭水化物や脂質の代謝に関わっており、かつてはビタミンB5とも呼ばれていました。

パントテン酸の機能

炭水化物、たんぱく質、脂質の代謝に関わる

食事から摂取した栄養がエネルギーへと変換されるまでに、数多くの化学反応が起こります。
パントテン酸はコエンザイムA(CoA, 補酵素A)として100種類以上の化学反応に関わります。
糖が代謝されるときにはビタミンB1とともに、脂質が代謝されるときにはビタミンB2と共に働きます。

ホルモンの合成に関わる

パントテン酸はホルモンの合成にも関わります。
ホルモンの合成を通じてストレスに対応する体を作ります。
そのため、イライラの防止に繋がるといえます。
他に、「傷の治癒」「抗体をつくり感染と戦う」「疲労の予防」「HDL(善玉)コレステロールの合成促進」などの効果が得られるといわれています。

パントテン酸の消化・吸収・代謝

腸内の酵素で消化され、利用率は低い

酵素たんぱく質と結合した状態のパントテン酸は調理過程や胃酸で酵素たんぱく質から離れます。その後、腸内の酵素で消化されて吸収されます。また、消化の過程は食品ごとに異なり、一緒に食べる食品にも影響されます。一般的な日本の食事における利用率は70%程度だと報告されています。

パントテン酸の摂取量

上限量は定められていません、成人の男女で4~5mg/日摂取が目安です。

過不足のリスク

過剰症の報告はない

余分なパントテン酸は速やかに排泄されます。
そのため、通常の食事摂取で過剰摂取による健康障害が発現した報告はありません。
また、パントテン酸のみを過剰に摂取した報告もないため健康障害は確認されておらず、上限量も定められていません。
通常の食事摂取で過剰摂取による健康障害が発現した報告はありません。
また、パントテン酸のみを過剰に摂取した報告もないため健康障害は確認されておらず、上限量も定められていません。

「どこにでもある」ため、欠乏症の報告もない

語源の通り、あらゆる食品に含まれているので一般的な食事をしていれば不足することはありません。
動物を対象にした実験では成長停止や副腎傷害、手や足の痺れ、頭痛、疲労、不眠、食欲不振等が起こった例があります。

パントテン酸が多く含まれる食品10品目

レバー、たまご、納豆、チョコレートなどに多く含まれています。
煮る調理や加熱調理により壊れやすい栄養素です。

参考文献

厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020年版」
文部科学省(2015)「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
上西一弘(2016)「栄養素の通になる」女子栄養大学出版部
奥恒行、柴田克己(2017)「基礎栄養学(改定第5版)」南江堂
田知陽一(2018)「栄養科学イラストレイテッド基礎栄養学第3版」羊土社

著者 / 監修者