原因がはっきりしない頭痛やイライラ。新型栄養失調の可能性も?改善のカギは食生活にあり!

なんとなくだるい。体が重い。やる気が出ない…
こういった原因がはっきりとわからない症状を「不定愁訴(ふていしゅうそ)」といいます。
気温や湿度、気圧の変化でも体調が不安定になる季節の変わり目。
今回は不定愁訴の原因や正しい対策、そして体調と気候の関係についてご紹介します。

不定愁訴の原因とは?

更年期の症状に多い不定愁訴

不定愁訴を感じている人の多くは更年期(45〜55歳)や高齢者。
中でも、更年期の女性の割合が大きいと言われています。
しかし、最近では男性の更年期の症状も話題になっています。
女性の更年期の症状は、閉経の前後5年程で急に現れますが、男性の場合ははっきりとした節目がなく、男性ホルモンが少しずつ減少して徐々に現れるといいます。

新型栄養失調の可能性も?

栄養失調と聞くと、食糧が乏しいことによって起こるもので、飽食の時代とも言われる現代の日本ではあり得ないと思うかもしれません。
新型栄養失調とは、食べる量や摂取カロリーは十分であるのに、たんぱく質やビタミン、ミネラルなどの必要な栄養素を摂取できていない状態です。

もともとは食生活の偏りなどが原因で、高齢者に多く見られるものでした。
しかし、現在では食事制限のようなダイエットや、栄養素のバランスが悪い食事による食生活の偏りなどが原因で女性に多く見られるといいます。
不足しがちな栄養素は、たんぱく質炭水化物。ビタミンではビタミンAビタミンB1ビタミンD、ミネラルではカルシウム亜鉛などがあります。

頭痛や体が重いなどの不定愁訴の症状は、新型栄養失調が原因も原因の一つと考えられるでしょう。

気分の浮き沈みには気候も関係していた!

気圧の低下や寒暖差…
そんな気候の変化によって起こる頭痛や肩こりなどの体調不良は、気象病と言い、体調と気候が関連していると考えられています。
今回取り上げている不定愁訴も、冬より夏、また季節の変わり目に多く発症するといいます。

症状を和らげるためにはイソフラボン

ホルモン分泌にはエクオール

女性の場合、閉経後にエストロゲンというホルモンの分泌が急激に低下します。
エストロゲンは不定愁訴の改善だけではなく、骨量の増加やコレステロール値の上昇を抑える作用もあるといいます。
そこで、同じような働きをするのが、大豆に豊富に含まれるイソフラボンであり、エストロゲンと似た構造を持つことから、植物性エストロゲンと呼ばれてます。
また、前立腺がんのリスク低減の可能性もあるため、男女ともに欠かせない食品です。

イソフラボンは摂取すると、腸でそのまま吸収される人と、エクオールという成分に変換されて吸収される人に分かれます。
イソフラボンよりも強いエストロゲン様作用があると言われ、現在注目されていますが、体内での生成されやすさは人それぞれです。
これには、腸内環境の違いなどが関係しているため、普段からバランスの良い食生活を心掛ける事や、大豆製品を摂取する事が大切です。
また、エクオールも男女ともに更年期の症状緩和に効果が期待できます。

良質な栄養素を吸収するにはまず、自分の体を知ることから。

更年期の症状が出てくる原因は、男女共に性ホルモンの分泌低下。
だからといって、ホルモンを分泌させる事を優先させて健康食品に頼るのでは意味がなくなってしまいます。
この場合、なぜホルモン分泌が低下してしまっているのか、そして、新型栄養失調が考えられるのであれば、自分がどの栄養素をどれだけ摂取できているのかを知り、体がどのような状況にあるのかを考える事が大事です。

サプリメントに頼る前にできること

生活習慣を見直して、体の芯から健康に。

どれだけ栄養価が高い食品や効果があるサプリメントを摂取しても、摂取した栄養素が偏っていては、健康な体は手に入りません。
まずはサプリメントを使えば良いという安心感を捨て、バランスのとれた食事、適度な運動、質の高い睡眠などの生活習慣を見直すことが大事です。
他にも、不摂生を控えてストレスを溜めない事、食事を誰かと一緒にすることも、不定愁訴の緩和につながることがあります。

先ほどご紹介した体内で作ることが難しいエクオールも、サプリメントや機能性食品などで直接補うこともできますが、まずは生活習慣を整えて健康な体に近づけることがオススメです。

改善のカギを握るビタミンB群

更年期の方の栄養摂取状況を見ると、三大栄養素の摂取量と共に、ビタミンB群やビタミンCカルシウムの摂取量も少なくなる傾向があります。
中でも、ビタミンB群の不定愁訴に対して効果が期待できる栄養素をご紹介します。
どのような食品から摂取できるのかについては、各リンク先で見ることができます。

  • ビタミンB1【ストレス緩和】
    神経機能を正常に保ち、精神状態を改善。
  • ビタミンB2【頭痛緩和】【貧血予防】
    神経を落ち着け、偏頭痛を緩和。赤血球やヘモグロビンの産生にも関与。
  • ビタミンB3【頭痛緩和】
    神経系の働きを促進。
  • ビタミンB6【ホルモン産生】
    神経伝達物質であるノルアドレナリンなどのホルモン産生を助ける。
  • ビタミンB12【貧血予防】
    ビタミンB2同様、赤血球やヘモグロビンの産生に関与。

まとめ

早く治したい!と思って、サプリメントなどの健康食品に頼りがちな、更年期の症状に多い不定愁訴。
長い目で見れば、体のために食生活などの生活習慣を見直して、根本から解決することが大切です。
数々の栄養素、そして、ホルモン分泌を助ける食品を味方に、身近な食生活から見直すことがオススメです。

参考文献
  • 厚生労働省「日本人の食事摂取基準」
  • 厚生労働省「平成28年 国民健康・栄養調査」
  • 佐藤純(2011)「天候変化と気分障害」,『日生気誌』,48(1):3-7
  • 田村基(2010)「エクオール」,『食品科学工学会誌』,57(11):492-493
  • 平山和宏(2005)「大豆イソフラボン類の代謝と腸内フローラ」,『腸内細菌学雑誌』,19:17-23
  • 石見佳子(1998)「大豆イソフラボンの有効性とリスク」,『日本栄養・食糧学会誌』,51(5):294-298
  • C.Peter Herman(2015)"The social facilitation of eating. A review", Appetite,86:61-73
  • 高瀬幸子(1975)「不定愁訴と食生活」,『栄養と食糧』,28(6):309-317