ナトリウムとのバランスが大事、カリウムの基本を知る。

原子番号19のアルカリ金属元素です。
ナトリウムの尿中排泄を促す効果があるため、ナトリウム摂取が過剰になりがちな日本人は摂取を増やしたい重要な栄養素です。

カリウムの機能

ナトリウムと共に体内の水分バランスを調整する

人の体は細胞でできています。
細胞が機能するためには、細胞内外に水が必要です。
カリウムはナトリウムと共に細胞の内側と外側の水分バランスを調節するなどして細胞の機能維持に貢献しています。
体内のpHバランスを保つのにも働きます。

神経と筋肉が正常に機能するのを助ける

ナトリウムは神経伝達や筋肉の収縮と弛緩が正常に働くのをサポートしています。
他にも「脳に酸素を送り、脳の機能を活性化させる」「体内の老廃物の除去」「アレルギーの治療」などの効果が得られると考えられています。

ナトリウムの排泄を促し、血圧の上昇を抑える

体内で尿が作られるときには、体に必要な成分が流れ出すぎないよう、尿のもととなる液体(原尿)に含まれる有用な成分を再び吸収する「再吸収」という行程が存在します。
カリウムはナトリウムが再吸収されるのを防ぎ、尿中への排泄を促すことで、血圧の上昇を抑えてくれます。

カリウムの消化・吸収・代謝

小腸で吸収され、腎臓で排泄される

小腸で吸収されたカリウムは全身の組織に運ばれ、大部分が細胞の内側に取り込まれていきます。
ほとんどが腎臓で排泄されます。

カリウムの摂取量

高血圧を中心とした生活習慣病の発症・重症化予防を目的に目標量が設定されています。成人の男女で、2,600~3,000mg/日以上が目標量として設定されています。
上限量の設定はありません。

過不足のリスク

腎臓が正常であれば通常の食事で過剰になるリスクは低い

必要以上のカリウムは排泄されるため、腎機能が正常で、サプリなどの健康食品の過剰使用がなければ過剰症になる可能性は低いです。
過剰症として、高カリウム血症があります。
高カリウム血症は疲労感、精神障害、不整脈、血圧の低下を招きます。

基本的に不足による欠乏症の心配はないが、高血圧の予防効果が薄れる

健康な人であれば、下痢や大量の発汗などを除き、欠乏することは基本的にありません。
ただし、カリウムの血圧を下げる効果から得られる生活習慣病(高血圧)予防の効果は薄れてしまいます。
糖尿病や腎臓の病気がある場合、尿排泄、下痢や嘔吐で不足する場合があり、食欲不振、筋力低下、低血圧、不整脈などが症状として現れます。

カリウムが多く含まれる食品10品目

カリウムの多い食材には、野菜や果物のような植物性の食品があります。
アルコールやコーヒーなどの利尿作用のあるものを摂取すると一緒に流れやすい栄養素です。
水洗い程度で失われることはありませんが、ゆで料理や塩もみの料理などで損失してしまいます。
生のまま摂取するか、汁ごと摂取できる料理が良いでしょう。
ナトリウムの摂取が増えるとカリウムの排泄が増えるため、汁の塩分は控えめにしましょう。
なお、サプリメントによる摂取では胃痛、胃の不快感などの影響が報告されており、食事による摂取が望ましい栄養素です。

出典 文部科学省 日本食品標準成分表2015年版(七訂)

参考文献

厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020年版」
文部科学省(2015)「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
岩堀修明(2016)「解剖生理学テキスト(第4版)」文光堂
上西一弘(2016)「栄養素の通になる」女子栄養大学出版部
奥恒行、柴田克己(2017)「基礎栄養学(改定第5版)」南江堂
田知陽一(2018)「栄養科学イラストレイテッド基礎栄養学第3版」羊土社

著者 / 監修者