2020年版【徹底解説】辛い花粉症シーズン到来!花粉症対策にとりたい栄養

スギ花粉の飛散が本格化し、天気予報には花粉飛散の情報が出るようになりました。
日本人の10人のうち約3人は花粉症だといわれています。
辛い花粉症の症状を抑えるために、効果が期待できる栄養やNGなものを花粉症のメカニズムをもとに考えていきます。

花粉症は免疫が過剰反応して起こるもので、日本人の約3割が悩まされている

花粉症は免疫反応

人の体には免疫機構が存在し、病原体に感染して治癒すると、同じ病原体には再び感染しないような仕組みになっています。
免疫は健康を保つためになくてはならないものですが、この免疫機構が過剰になり、生活に支障が出てしまう場合があります。

そんな免疫反応が過剰になった状態の1つに花粉症が存在します。
花粉が体内に侵入すると異物として認識され、花粉を排除しようとくしゃみや鼻水、涙などといった症状が出るようになります。

日本人の3割は花粉症で、東海地方に多い

日本における花粉症にかかっている人の正確な人数は出ていませんが、約3割の日本人が花粉症だと言われています。
地域別の調査によれば、東海地方の有病率が最も高く、次いで南関東、北関東、甲信越、近畿、四国、中国、東北、九州と続きます。

北海道や沖縄は極めて少ないといわれています。
北海道や沖縄に花粉症患者が少ないのは、花粉症患者のうち約70%がスギ花粉が原因で、北海道はスギ花粉の飛散がとても少なく、沖縄にはスギが全く生息しないためだと考えられています。

花粉症患者は増加傾向。まだ花粉症ではない人も要注意!

スギ花粉症患者は10年の間に10%増加したという調査が存在します。
花粉症患者が増えている要因は様々な事項が挙げられますが、食生活の変化や腸内細菌の変化、感染症の減少などが指摘されています。

また、世界的な温暖化の影響でスギ花粉飛散数の増加が想定されており、特に関東のスギ林密度は増加すると予想されています。
今後も花粉症に悩む人は増えていくと考えられます。
花粉症の症状は、花粉を浴び続け、体内に十分な抗体ができることによって出現します。
そのため、今花粉症ではない人も今後かかる可能性があるため対策が必要です。

「花粉を体に入れないこと」「免疫機能を正常に働かせること」が花粉症対策の大きなポイント

花粉を体内に入れないことが一番の対策

花粉症の症状を減らすために、また、今花粉症でない人が発症を遅らせるのに一番有効なのは「花粉を体内に入れないこと」です。
外出する際にはマスク、メガネを使用し、帰宅時には服に付いた花粉を払い、手洗いやうがい、洗顔を行うと良いでしょう。

花粉は特にお昼の前後と夕方に多く飛散します。
花粉の多い時間帯の外出を避けるのも有効です。

バランスのよい食事が免疫機能の正常化につながる

花粉症シーズンになると「花粉症によい」食品の情報や「花粉症に効く」製品がたくさん出回ります。
花粉症の症状を緩和するかもしれないと研究が進められている食品は存在するものの、毎日食べ続けることで花粉症を治療できる食品は今のところ発見されていません。

症状を悪化させないためには栄養バランスのとれた食事で体調をよくし、免疫機能を正常に働かせることが必要です。
花粉症によいとされる特定の食品ばかりに固執せず、そういった食品も含め野菜、果物、肉、魚など色々と食べていくのがよさそうです。

花粉症症状を抑える効果が期待できる栄養

ビタミンA・C・E

ビタミンA・C・Eは「ビタミンエース」とも呼ばれ、活性酸素の働きを抑える作用をもつビタミンです。
活性酸素は免疫機能の低下をもたらしますが、ビタミンAはその活性酸素の発生を抑え、取り除く働きを持ちます。
ビタミンC、Eには過酸化脂質の産生を抑える働きも持っています。

こうした力によりビタミンA・C・Eは体内の免疫機能を正常に保ってくれます。
ビタミンA・C・Eはピーマン、パプリカ、ブロッコリー、かぼちゃなどといった野菜に揃っています。

n-3系脂肪酸(オメガ3系脂肪酸)

n-3系脂肪酸にはEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)が含まれます。
n-3系脂肪酸から生成されるレゾルビンやプロテクチンといわれる物質が抗炎症作用を持っており、かゆみなどのアレルギー症状を抑えると考えられています。

えごま油、アマニ油、くるみ、まぐろやさばなどの魚類に豊富です。
n-3系脂肪酸は酸化されやすいので早めに食べきりましょう。

乳酸菌

乳酸菌の中には、花粉に敏感に反応する抗体の産生を抑えたり、腸内フローラ(腸内細菌叢)を変化させて症状を抑えたりする効果があるものがあるという研究が存在します。
摂取の目安は分かっていませんが、毎日の食事に摂り入れると良いかもしれません。
乳酸菌が含まれる食品にはヨーグルトやチーズ、納豆、ぬか漬けなどがあります。

花粉症の悪化に関係するもの

高脂肪の食品

脂質は活性酸素と結びついて過酸化脂質となります。
この過酸化脂質はアレルギー症状を悪化させる要因となります。
ファストフード、揚げ物、バラ肉、マヨネーズなどの摂りすぎには気を付けましょう。

砂糖の多い食品

脂っこい料理と同様に、砂糖は過酸化脂質を増加させてしまいます。

アルコール

お酒は体にとって強い刺激となります。
こうした刺激は血管や粘膜を傷つけ、炎症を起こしやすくしてしまいます。

まとめ

花粉症の症状は免疫機構が過剰反応して起きるものです。
その対策のポイントとして「花粉を体内に入れないこと」と「免疫を正常に保つこと」があります。
免疫を正常に保つために重要なことは、栄養バランスのとれた食事を摂ることです。
色々な種類の野菜や果物、魚、肉、乳製品を食事に取り入れていきましょう。

ビタミンA・C・E、n-3系脂肪酸、乳酸菌は花粉症の症状を減らすのに有効と期待されており、それぞれ野菜、魚、ヨーグルトや納豆などに含まれます。
こうした成分も他の栄養との相互作用によって効果を発揮しますので、様々な食材を組み合わせてみると良いでしょう。
食事を楽しみ、十分な睡眠や運動で免疫機能を正常に保ち、辛い花粉症の時期を乗り切りましょう。

参考文献

花粉情報協会(2019)「花粉症環境保健マニュアル」環境省
厚生労働省「過酸化脂質」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-004.html (参照2020.02.25)
厚生労働省「花粉症特集 はじめに~花粉症の疫学と治療そしてセルフケア~」https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/ookubo.html(参照2020.02.15)
厚生労働省「スギ花粉を含む食品に関する注意喚起について」https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/hokenkinou/sugikafun.html(参照2020.02.19)
新井博文(2011)「アレルギー反応に及ぼす生体内脂質過酸化の影響」北見工業大学
有田誠(2017)「ω3脂肪酸の代謝と抗炎症作用に関する研究」脂質栄養学
大久保公裕(2015)「的確な花粉症の治療のために」厚生労働省
木村五郎 他(2012)「Lactobacillus acidophilus L-55含有ヨーグルト飲用のスギ花粉症に対する臨床効果の検討」アレルギー学会誌
深川正久(2019)「はじめの一歩の病理学」羊土社
辨野義巳(2011)「プロバイオティクスとして用いられる乳酸菌の分類と効能」モダンメディア

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