栄養を摂る3つの目的。栄養摂取にはルールがある?

栄養や食事のことを考える時に、何の栄養素をどれくらい摂ればいいのか?を定めているのが、5年に1度厚生労働省が策定している「日本人の食事摂取基準」です。

なんのために作られたのか?

高齢化の進展や糖尿病等有病者数の増加を踏まえて、厚生労働省が平成25年度に健康日本21(第二次)という取り組みを開始しました。
この取り組みは健康寿命の延伸を目的として、健康の保持・増進、生活習慣病の発症・重症化予防を実現していきましょうというもので、その目的達成のために重要なエネルギーや栄養の適切な摂取量を定めたものが日本人の食事摂取基準です。

出典 厚生労働省 日本人の食事摂取基準2015年版 策定の方向性

私たちに必要な栄養素は厚生労働大臣が決めている

健康増進法に基いて、下図に示すエネルギーや栄養素を、厚生労働大臣が定めています。
併せて、健康の保持・増進に不可欠で、科学的に充分信頼できると判断される栄養素についても検討されています。

出典 厚生労働省 日本人の食事摂取基準2015年版 健康増進法に基づき定める食事摂取基準

栄養素摂取には3つの目的と、5種類の指標がある

栄養素を摂る目的には、摂取不足の回避過剰摂取による健康障害の回避生活習慣病の予防の3つがあります。

出典 厚生労働省 日本人の食事摂取基準2015年版 栄養素の指標の目的と種類

  1. 摂取不足の回避
    摂取不足の回避を目的として、半数の人が必要量を満たす量である「推定平均必要量」、ほとんどの人が必要量を満たす量である「推奨量」、科学的根拠が得られず前出の2つの指標が設定できない場合の「目安量」を含めた3つの指標が定められています。
  2. 過剰摂取による健康障害回避
    過剰摂取による健康障害の回避を目的として、「耐用上限量」が存在します。
    充分な科学的根拠が得られない栄養素については定められていません
  3. 生活習慣病の予防
    生活習慣病の予防を目的として基準を定めるべき栄養素が存在していますが、そのための研究の数や質はまだ十分でないと考えられています。
    そのため「生活習慣病予防のために当面目標とすべき摂取量」として「目標量」が定められています。

「日本人の食事摂取基準」を見て、自分の摂取基準を知ろう

日本人の食事摂取基準(2015年版)は15人のメンバー、13人の協力者、100人を超える研究者の協力を得て策定されている、日本で唯一の栄養に関する包括的なガイドラインです。

出典 厚生労働省 日本人の食事摂取基準


その基準は長年の研究の結果、成果の積み重ねから信頼できる情報からしか定められていません。
まだわかっていない事実もある中で、現時点で最適だと考えられる指標を提供してくれているものです。
世の中に溢れている様々な健康・栄養情報も、常に「信頼できる情報か?」を問いながら取捨選択をしていく必要があるといえます。